筆耕とは、筆を使って文字を書くことで報酬を受ける仕事または、その仕事をする人のこと。つまり文字を書くプロです。

日常生活では耳慣れない言葉ですが、結婚式をはじめとするパーティーなどの招待状の宛名書きや、席札の名前、案内看板の文字や各種の賞状などを毛筆で書く仕事のことだと言われれば、誰もが目にしたり、利用したりことがあるのではないでしょうか。

大きなデパートなどにも熨斗を書く担当の人が筆耕として勤務しているところが見受けられます。

毛筆の筆耕の技術は芸術面を重んじる書道とは全く異なるもので、実用書道とも呼ばれるものです。

仕事として報酬を得るには美しい文字が書けるのはもちろんのこと、レイアウトの知識、文書作成のためのマナーなど高い技術が要求されます。しかしながら、最近ではパソコンが普及した影響で筆耕のニーズは減ってきているのが現状です。

パソコンを使って誰でも簡単に筆文字の印刷物を作ることができるようになってきましたが、やはり手書きの筆文字は格式があり印刷物とは比較できないものがあります。

美しい手書きの文字は、相手への敬意やおもてなしの気持ちをより格別なものとして伝えてくれるもので、筆耕はいつの時代になってもなくてはならない仕事といえるのではないでしょうか。